文芸家の会・『架け橋』

俳句と随筆を中心とした季刊誌です

『架け橋』5号について

 同人誌を扱っているブログにわが『架け橋』5号が取り上げられました。URL(イタリック)とともに、文言(太字)をコピペさせていただきます。読みやすくするために罫線を入れさせていただきました。また、リンク集の『関東文芸同人誌交流会の掲示版』からもたどることができます。
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  URL;http://9301.teacup.com/douzinnnzassi/bbs/979

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「架け橋」5号(東京都) 投稿者:東谷貞夫 投稿日:2012年 9月 6日(木)13時55分17秒   通報 返信・引用 編集済

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 伊与田茂「女と海」
 この書き手の文章は凛とした気品があり、しかも仄かな抒情性も感じられます。エッセイの名手でしょう。
 海は女性の生まれ故郷――相模の海に佇み、書き手のイマジネーションの翼が広がります。日本武尊の舟が荒波にもまれたとき、その妃の弟橘媛が海に身を投げ、神の心を和らげ、舟を無事に進ませます。また大磯町の坂田山で心中があり、二人の気持ちを汲んで「天国に結ぶ恋」として話題になります。
  (注)レコードになり、映画にもなっています。
 由比ヶ浜に想いを寄せると、静御前ことが浮かび――生まれたばかりの男の子を頼朝に殺され、その赤子は由比ヶ浜に葬られます。平家が滅びたのは俺の命を奪わなかったからだ――その思いの裏返しが義経の子供を殺すことだったのでしょう。
 二ノ宮一雄は詩人であり歌人でもあった巽聖歌に触れていて――巽聖歌は童謡の「たきび」の作詞者であり、戦後に八王子の手前の豊田に移り、豊田駅の発車合図に「たきび」のメロディが流れます。
 里柳沙季は菊田一夫を回想しており、森繁久弥満州から引き揚げて苦労していた時期に生活費の面倒を見ていたということです。
 さまざまな書き手がいて、細かく拾い上げてゆくと、文学史あるいは社会世相史の面白い資料になりそうです。
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